■ものがたり
「もう一人の自分」を仮想世界に切り替える携帯電話のオンラインゲーム機能、「スイッチ」 。
フリーライターのヒズミは、そのスイッチの世界で起きたある事件がきっかけで、現実の世界にモザイクが現れるという奇病を患っていた。現実世界と仮想世界の反転が生じていたのである。
そんなヒズミが学生時代の友人記者からあるスイッチの世界の取材を依頼される。スイッチは各個人が作っている独立した世界であるが、それが端末によって相互交流している世界である。
ヒズミが依頼されたスイッチの世界は、現実の世界でワイドショーを賑わせているある少女のものだった…。 |
■作者挨拶
僕は学生の頃、テレビ局の報道部でカメラアシスタントのアルバイトをしていたことがある。その最初の仕事で僕は、選挙前のある候補者にインタビューを撮りに行った。
まぁ無事に撮影は終了したのだが、帰りのロケ車のドアを閉めた瞬間記者がカメラマンに 「使えませんね、このコメント」 と言った。理由は予定していたコメントをその候補者が言わなかったからだったが、インタビューをする前から既に作り手の方で必要なコメントが決まっているという事実が、当時の僕にはとてもショックな事だった。また梅雨入りのニュースの際には、公園から採ってきたカタツムリをあたかもそのスタジオの庭先にいたかのように撮影したこともあった。これらは小さなやらせである。
報道とはありのままの真実を伝えることではなかった。そこに必ず作り手の作為がある。そして、当時ある程度仕事のノウハウを覚えてきた僕は、誰よりも早くそのカタツムリを用意することができるようになっていた。
情報の作為は、表現しようとする気持ちと一体である。それを否定することは、表現を否定することである。
インターネットを見てみる。劇場に行って、演劇の折込チラシを見てみる。つくづく人は表現したい生き物なのだな、と思う。あさましい。そのあさましさの中に、誇らしさを感じる。逆に、そのあさましさと対峙しなければ誇らしさは見つからない。
この作品で僕は、一表現者としての潔さを、恥ずかしげもなく表そうと思う。ただし、作為として山ほどのフェイク(コント)を交えながら。 藤森俊介
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■STAFF
作・演出:藤森俊介
音楽・音響:北原慎治
照明:櫛田晃代
衣裳:岸川康子
舞台監督:大槻めぐみ
宣伝美術:
田中奈緒・新野彩子
写真:佐藤正明
映像記録:野村梓二
WEB:unagipai
制作:池田智哉
(劇団ギリギリエリンギ)
票券管理:岩手りゅうや
企画製作:ダムダム弾団
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